良質なくらし
固くて傷になりにくい、広葉樹の床材の特徴

室内環境から住まいを考えるWEBメディア

固くて傷になりにくい、広葉樹の床材の特徴

日本の針葉樹を代表するスギとヒノキを取り上げた前回に続き、今回は広葉樹を紹介します。そもそも、針葉樹と広葉樹はどう違うのでしょう? わかりやすいのは葉と樹木の形の違い。スギやマツやヒノキといった針葉樹は、葉が針のように細く、幹がまっすぐ伸びるのに対して、サクラやナラやケヤキといった広葉樹は、葉が扁平で、幹は枝分かれしながら横に広がって成長するのが特徴です。

木材になった時の性質の違いは、大まかに言えば「堅さ」です。それは水や養分を運ぶ細胞組織の違いによるもので、針葉樹は「柔らかで触れた時にあたたかい」。細胞組織の複雑な広葉樹は「堅くて傷になりにくい」。ただ、堅く重い木ほど冷たく感じるので、選ぶ際には実際に触れて決めたいものです。

日本の広葉樹で床材としてよく使われているのは落ち着いた色合いのクリやヤマザクラなど。輸入材では、ウォールナットやメープルなどの北米材、インドネシアで植林されているチークとローズウッド、ヨーロピアンオークなどの欧州産材の他、色の濃い樹種が多い南洋材、ロシア・中国から入ってくるチャイニーズオークなどの北洋材がポピュラーです。

無垢の床材のよさは、なんといっても天然素材ならではの弾力性、調湿作用があり、肌触りが心地よいこと。そして、使い込んでいくうちに風合いを増していくのも大きな魅力です。最近は、無垢材ならではの個性を味わうために、あえて節の入った材を選ぶ人も多いとか。リビング、寝室、趣味の部屋など空間の用途に合わせて、木目の雰囲気や素足で歩いた時の感触など、じっくり吟味しましょう。

広葉樹の特徴

上記の写真の6つの床材について紹介しましょう。見出しの番号は写真の番号と対応しています。

1. ヨーロピアンオーク

ヨーロッパ産のホワイトオークは日本のナラ材に雰囲気が似ているため「欧州ナラ」とも呼ばれる。オーソドックスな床材でどんなインテリアにも合わせやすい。最近は、無垢の素材感をより強く感じる、大きな節や木目を生かしたワイルドな表情の材に人気があるとか。

2. インドネシアチーク

高級家具材としての印象が強いチーク。古くから豪華客船の甲板や内装に使われてきたというだけあって、耐水性があり、温度変化にも強く、過酷な環境下にも耐え抜く強さを備えている。寸法安定性に優れているので、精度を求められる寄せ木張りにも最適。

3. メープル

明るい室内、白い床を好む人にお勧めなのが、爽やかでクリーミーな色調のメープル。光の当たり具合によって変化して見える絹のような光沢が魅力的。似た雰囲気のあるカバザクラと同様、きめ細やかで十分な堅さがあり、摩耗に強いので傷になりにくい。

4. ウォールナット

重厚感のある深い色味と美しい木目で知られる北米産ウォールナットは床材の定番。粘りと艶があり、膨張収縮率も低く加工しやすいため、内装材以外に高級家具・調度品に使われる。クリやヤマザクラと同じで堅すぎず、柔らかすぎず、幅広い年齢層に支持されている。

5. クリ〈 国産材 〉

土台や構造材としても古くから日本家屋に使われてきたクリ材。しっかりとした木目が特徴的で、黄みがかった落ち着きのある色は素材感のあるナチュラルなインテリアによく似合う。
耐水性が高く、耐久性に優れているため、フローリングにぴったりの使いやすい材。

6. ヤマザクラ〈 国産材 〉

すべすべとしたきめ細やかな肌触りと、ほんのり赤みを帯びた上品な淡い色味が人気の材。本州中部以北に分布するヤマザクラは内装や家具だけでなく、工芸品を含めさまざまに活用されている。堅すぎず、柔らかすぎず、素足で歩く日本の住まいに適している。

フローリング問合先/株式会社マルホン
静岡を拠点に国内外の原産地と直結したネットワークを持ち、厳選した天然無垢材を取り揃えている。
世界のあらゆる樹種サンプルを集めたショールームは静岡本社と東京・新宿の2 ヶ所。実際に見て、触れて、素材を確かめることができる。
[ 東京ショールーム]tel. 03-5326-7411 https://www.mokuzai.com

© Copyright © 2017 ASAHI KASEI CONSTRUCTION MATERIALS CORPORATION. All rights reserved.